第十三問
次の事例を読み、設問に答えなさい
B(女性)さんは出版社の編集部に入社した新入社員です。毎年2人編集部に配属されていますが、今年はBさん1名のみの配属です。
編集部では、日頃の雑務を入社した新人が行う習慣があり、今まで二人で行っていた雑務をBさん一人で行うため悪戦苦闘の毎日でした。
Bさんの仕事は雑用だけではありません。Bさんの担当を持つことになりましたが、前任者の指導役の先輩が大変厳しく、仕上がりが完璧になるまで合格を出してくれません。
他の部員は日中外出していて、職場にいても忙しくしているため、質問ができません。
仕事が夜遅くになることも多く、時間外労働時間が60時間を超える月はほぼ毎月です。
眼精疲労や肩こり、耳鳴り、腰痛と言った身体の不調を感じているものの、先日会社で行ったストレスチェックでは高ストレス者に該当されず、プライベートのパートナーの関係も良好でした。
そんな中、Bさんの顧客からクレームが発生してしまい、内容的には誰のせいでもなかったのですが、厳しい期日の中で対応が求められるようになりました。
そうなると新人の仕事である雑務の負担が重くのしかかります。
仕方がないことと分かっているものの、「こんなことをするために今の会社に入社したわけではない」、「退職しようかな」と考えるようになりました。
最近では睡眠も乱れてしまい、寝つきが悪くて朝早くに目を覚ましてしまうので心配です。
設問1
Bさんの実例に関する下記記述について、DCSモデルに関するストレス要因として、最も不適切なものを選びなさい
- 完璧な仕上がりでないと認めてもらえない
- 他の部員が忙しくて質問がしにくい
- 睡眠が乱れている
- クレームが発生し、厳しい期日の中で対応が求められている
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正解:③
睡眠が乱れる現象はストレス要因ではなく、ストレス反応と理解される
設問2
Bさんのストレスに関する次の記述の内、心理的負荷による精神障害の認定基準に該当するものとして、最も適切なものを選びなさい
- 新人配属がその年のみ一人であった
- 毎月のように時間外労働が60時間あること
- 担当する顧客からクレームがあった
- 日中に他の部員がいない
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正解:③
顧客からのクレームは心理的負荷の強度Ⅱに分類される
設問3
Bさんのストレスに関して、A~Dのうち正解を〇、誤っているものは×としたときに、最も適切な組み合わせを選びなさい
A:職場に人がいないのは、出版業界にはよくあるストレスであり、他の業界では起こることがない
B:クレームをきっかけにした「こんなことをするために今の会社に入社したわけではない」、「退職しようかな」と感じるBさんのうつ尺度は必ず高くなっている
C:「仕事がうまくいかない分、パートナーとすごく時間を大切にするという考えは情動焦点型の対処である
D:仮に雑用の負担を軽減するために上長に相談し、雑用することに本人が納得できればストレスが軽減した可能性がある
- A:×、B:〇、C:×、D:〇
- A:〇、B:×、C:×、D:〇
- A:〇、B:〇、C:×、D:×
- A:×、B:×、C:〇、D:〇
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正解:④
複数名の業務を一人で行うことは他の業界でも起こりうる。また退職願望は心理的変化ではあるがうつ尺度が高くなっているとは限らない
設問4
Bさんのストレスに関する次の記述のうち、最も不適切なものを選びなさい
- 出勤状態の乱れがなければ行動面の変化はないと判断できる
- 腰痛や頭痛、眼精疲労、耳鳴りなどの体調不良は心身症の可能性がある
- 「こんなことをするために今の会社に入社したわけではない」と退職を考えてしまうのは心理面での変化である
- 寝つきが悪くて朝早くに目を覚ましてしまうのはいつもと違う状態が2週間以上続く場合は専門家に相談することが望ましい
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正解:①
遅刻・欠勤も行動面の変化である
設問5
Bさんのストレスチェックの重要度に関して、A~Dのうち正解を〇、誤っているものは×としたときに、最も適切な組み合わせを選びなさい
A:ストレスチェックによる結果は、性格検査のようなある程度一定の数値を安定して示すことが期待される
B:ストレスチェックを受けた結果、高ストレスでなかったとしても、ストレスチェックの診断結果を自分で振り返るのは重要である
C:ストレス反応が出ていない場合は産業保健スタッフに相談することができない
D:会社のストレスチェックだけではなく、こころの耳を活用するなど定期的なチェックをすることが有効である
- A:×、B:〇、C:×、D:〇
- A:〇、B:×、C:〇、D:×
- A:〇、B:〇、C:×、D:×
- A:×、B:×、C:〇、D:〇
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正解:①
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